オベ蔵君登山記(その4)

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教訓とも言える今回の章。
「絶景はリスクの先にある。」などと自分に自負して生きてきましたが、

今まで生きてきた中で一番ヤバイと感じた経験談。



道、道、道
ライトで辺りを照らすと、幾重にも道が伸びているように見える。
すべてが道に見える。

完全に迷ってしまった。
夜の静かな山道に取り残されてしまった。

荷物はほとんどキャンプ場に置いて来ている。
水分も食料もない。この薄暗い山道でじっとしているしかないのか。

暫くは「大丈夫だ、大丈夫だ」と自分に言い聞かせいていたが、
そのうち焦りと不安が体を取り巻く。

膝が笑う。
走馬灯のように想いが駆け巡る。
恋人や家族との記憶ともしもの場面が過った。


歩けどもここという道に辿り着かない。
遥か向こうに灯りを感じたが、幻覚であることに気付く。

歩き疲れ一旦止まる。
呼吸が乱れ、肩が上下に激しく動いていた。
心臓の音が聞こえる。

時折謎の鳴き声が聞こえる。
私に恐怖を抱かせるには十分な要素だ。

「マジか、帰れないのか、食料も何もない。あの時無理せずに帰っていれば」

私は絶望し、途方に暮れた。










「夕日が近いですよ。早く行きましょう。」
私はその日に打ち解けたEさんに催促をした。

「ちょっと待っててください。そういえば地図はありますか?」

「あ、実は持ってなくて、、」

「ならコレを使いましょうか」

EさんはWebからダウンロードした簡易的な地図を広げ確認した後、ザックの中にしまった。

鳳凰小屋までかなりの距離を歩いていたが、
山頂までの道のりは決して甘くはなかった。
私はひたすら、Eさんの足に噛り付くように追いかけた。

Eさんはいろんな事を話してくれた。
職業を最近変えた事、その職業になるために沢山努力したこと。

ふと自分の今に疑問を持ち、意を決しての行動。

楽ではなかったが、今はとても楽しい。嬉しそうな顔が印象的だった。

暫く息を切らしながら登って行く。
途中から砂地の坂道に入り、辺りが開ける。

その時突然、地蔵岳オベリスクと対面した。
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by MegKichi | 2013-10-02 07:34 | 登山
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